平成28年熊本地震に見る歯科医師会の社会貢献

by together!!編集部 日歯の活動 2017年8月24日
 

JMATに初めて歯科が参画

熊本県熊本地方や阿蘇地方を中心に甚大なる被害を及ぼした平成28年熊本地震は、ようやく復旧・復興の緒に就いたばかりで、未だ避難所で避難生活を余儀なくされている方が多い状況にあります。

日本歯科医師会としましては、発災後直ちに対策本部を設置し、関係団体等の協力を得て支援物資を送付した他、歯科医療救護のための人員の登録・派遣、見舞金の送金等の支援を行いました。

また、今回は初めて、JMAT(日本医師会災害医療チーム)に歯科として参画し、避難所等で歯科医療救護活動等を行いました。

 

地域歯科医療の復興に向けて会員を支援

自然災害はいつ起こるかわかりません。日本歯科医師会は、災害が起きた際には災害共済保険金を支給するなど、地域歯科医療の復興に向けて、会員の歯科医療及び歯科保健活動の基盤となる診療所や自宅の復旧を支えるべく、可能な限りの支援を続けます。

なお、災害救助法に基づく国からの補助は政策医療実施機関に限られているなど、公的補助は健診等の行政と連携した事業を実施し ている歯科医師会の会員の方が受けやすくなっています。

   

近年、阪神淡路大震災(平成7年)、東日本大震災(平成23年)、そして平成28年熊本地震が起こっていますが、日本損害保険協会の調べによると、地震保険の加入率は全国平均で28.8%(平成26年度)に止まっています。

地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、政府と損害保険会社が共同で運営する保険です。加入されていない方は、万が一の備えとして加入をお勧めします。

なお、地震保険とは別に、日本歯科医師会では会員のための独自の福祉共済保険があり、地震で診療所や自宅が全壊となった場合、災害共済保険金をお支払いします。

   

被災地歯科支援活動

平成28年の4月14日に発生した熊本地震に伴い、九州地区では2月に「九州地区連合歯科医師会災害時相互応援規則」を設けたばかりであり、この規則を早速生かす形となりました。規則に基づき、福岡県歯科医師会が主幹となり、九州歯科大学、福岡歯科大学、九州大学の3大学にも協力を要請し、4月23日に第一班の支援部隊を熊本県南阿蘇地区に派遣しました。支援活動は、福岡、大分、宮崎の3県歯科医師会、そして九州大学、九州歯科大学、福岡歯科大学の3大学が南阿蘇地区を、佐賀、長崎、鹿児島、沖縄の4県歯科医師会が益城町を担当し、追って西原村への支援要請もあり、これは山口県歯科医師会に協力を要請しました。

このような災害時における歯科支援活動や身元確認など、災害時には歯科医師の活動が求められます。これは歯科医師としての使命でもあり、社会貢献の一つであることは言うまでもありません。しかし、行政の活動が麻痺した被災地では、歯科医師が単独で活動しようとしても更なる混乱を招く場合もあります。歯科医師会という組織の基に、その指示に従った活動をすることが、被災住民にとって一番求められる結果につながっていくことを申し添えます。

   

平時からの会員研修と関係づくり

平成28年4月14日、16日に熊本地区に発生した、M6.5と7.3の巨大地震は震度7を記録し、益城町や西原村、南阿蘇村、熊本市を中心に甚大な被害をもたらしました。多くの家屋が崩壊し、道路は隆起、陥没、避難所は855か所、避難者数は約18万人にのぼりました。

4月15日、日本歯科医師会と熊本県歯科医師会では災害対策本部を立ち上げネット会議を開催、九州地区連合歯科医師会並びに山口県歯科医師会、歯科衛生士会、厚生労働省、熊本県、市町村、関係職種と連携をとりながら避難所での組織的、継続的な歯科医療、保健活動を展開しました。また、口腔衛生関連の支援物資が県内県外各地より届けられ、避難所への提供と歯科保健活動に有効に活用されました。

阪神淡路大震災や東日本大震災では、発災2週間後から肺炎が急増し、多くの震災関連死の原因となったことから、避難所における活動の目標の一つを誤嚥性肺炎による災害関連死ゼロを目指すこととしその成果を挙げました。災害時における歯科医療・保健活動、遺体確認等は歯科医師・歯科医師会に課せられた社会的責務であり、平時からの会員研修、関係機関との関係づくりが大切と言えます。

(日本歯科医師会:together!!4.2016年11月発行.より)

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